学 名  Zizania latifolia Turcz.
英 名  Wild Rice. Indian Rice.
植 物  真菰は沼や川、あるいは田んぼの水路などの水際のいたるところに自生するイネ科の大型多年草で、水中の泥土に根を張り、春にタケノコ状の芽を出し、夏までに草丈が1メートルから2メートル以上にまでなります。
 また真菰は地方によっては、カツミ、ハナカツミ、ガッコ、コモクサなどとも呼ばれています。
神 事

 真菰は神話時代からその実在が知られており、最古の書物『古事記』や『日本書紀』 『万葉集』などにも見つけることができます。
 日本では今も神仏に供せられるケースがよく見かけられます。東京の神田明神をはじめ、千葉の香取神社、埼玉の氷川神社、大分の宇佐神宮、島根の出雲大社など、多くの神社に神事として残っています。

仏 事
 真菰と日本人のかかわりは神事だけではありません。仏事にも大きくかかわりがあるのです。お釈迦様が真菰で編んだむしろ(寝床)に病人を寝かせて治療されたという仏話があり、これが日本に伝わり、お盆に真菰で編んだ「盆ござ」や「盆舟」を奉げるようになったと云われております。

水質浄化

生息環境





 
真菰は水質浄化の働きがあり、霞ヶ浦や琵琶湖を始め、ラムサール条約に指定されている伊豆沼・内沼(宮城県)などで真菰を使った水質浄化事業が行われています。
 また、真菰の柔らかい芽や茎の回りは餌場として、産卵場所として、そして隠れ場所としていろいろな水棲生物が集まります。冬になれば白鳥などの水鳥が真菰の肥大した根を餌としてついばみます。
 真菰はこのように、優れた浄化植物の1つであると同時に、多くの生物に対して優れた生息環境を作ってくれ、生態系の潤滑油のような役割も果たしているのです。最近では、環境破壊が進み、湖、沼や河川の生態系が次第に崩れ、また、河川や田んぼなどの水路はコンクリートなどで覆われ、年々真菰が減少しつつあります。


 食 用



 マコモタケ
 真菰は広く東アジアの冷・温帯に分布し、中国では「菰」と呼ばれ、台湾では現在も栽培され、真菰の若芽料理などは強精強壮食として日常的に食べられています。日本では薬膳料理にも使われることもあります。
 また、秋に茎が肥大しマコモタケと呼ばれるものができることがありますが、内部には白い髄組織が詰まっていて非常に軟らかく、炒め物や煮物料理に使われます。
 北米などでは真菰の実をワイルドライスと言い、野鳥のお腹に詰めた料理などが代表的です。

真菰の用途
一覧

出雲大社のしめ縄
 
 ・神事用   茅の輪(茎葉)、しめ縄(茎葉)。
 ・宗教用   盆ござ(茎葉)、カヤカヤ馬(茎葉)、精霊舟(茎葉)。
 ・包装用   チマオグサ(葉)、ようかん(葉)。
 ・敷物用   ムシロ(茎葉)。
 ・被服用   日のみ(茎葉)、雨のみ(茎葉)。
 ・肥料用   緑餌(茎葉)。
 ・飼料用   緑餌(茎葉)。
 ・食  用   真菰の芽(菰菜)、マコモタケ(肥大茎)、
 真菰の実(菰米・ 種実)。
 ・飲料用   マコモ(葉)。